相続手続きで必要になる書類。
「実印を押して、印鑑証明も付けたから大丈夫」と思って提出したところ――
「押された印鑑の陰影が、印鑑証明と一致しません」
そう言われて、書類が差し戻しになるケースがあります。
実はこれ、相続の現場では珍しくありません。
よくある原因はこんなケース
次のような理由で、実印のつもりが違っていたということが起こります。
- ☑ 実印だと思っていたが、別の印鑑を使っていた
- ☑ 印鑑が欠けている・すり減っている
- ☑ 登録した印と似た印鑑を複数持っていて、取り違えた
- ☑ 強く押しすぎてにじんだ/薄すぎて陰影が不鮮明
特に多いのが、
「昔登録した実印と、見た目がよく似た印鑑を使ってしまった」
というケースです。
なぜ印影の違いが問題になるの?
相続手続きでは、
- 相続人全員の実印
- 印鑑証明書
この2つがセットで求められることが多く、
“印鑑証明に登録されている印影と、書類に押された印影が一致しているか”
が厳密に確認されます。
少しでも違うと、
- 本人の意思確認ができない
- 書類の真正性に疑義がある
として、受理してもらえないことがあります。
トラブルを防ぐためのポイント
提出前に、ぜひ次の点を確認してください。
✅ 登録印影と必ず照合
- 印鑑証明書の印影と、押す印鑑を見比べる
- 不安な場合は、試し押しをして確認
✅ 印鑑が劣化していたら要注意
- 欠け・摩耗・ヒビがある場合
→ 再登録+印鑑証明の取り直しがおすすめ
✅ 押印の仕方にも注意
- 強すぎず、弱すぎず
- 朱肉の量も適切に
- できれば平らな場所で一発押し
相続は「ちょっとした違い」で止まってしまうことも
印鑑の陰影違いは、
「うっかり」「まさか」で起こるトラブルです。
ですが一度差し戻されると、
- 書類の作り直し
- 印鑑証明の再取得
- 手続き全体の遅れ
につながってしまいます。
不安なときは、事前確認を
相続書類は、提出前のチェックがとても大切です。
- 実印が本当に合っているか不安
- 書類の内容や押印に自信がない
そんなときは、早めに専門家へ相談することで、
無駄な手戻りを防ぐことができます。
相続手続きでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
公証役場での遺言作成でも「実印と印鑑証明」は本人確認に使われます
相続手続きだけでなく、
公証役場で公正証書遺言を作成する場合も、
- 実印
- 印鑑証明書
を提出し、本人確認が行われます。
このときも、
👉 印鑑証明に登録されている印影と、持参した実印の陰影が一致しているか
が確認されます。
そのため、
- 実印だと思っていたが別の印鑑だった
- 印鑑が欠けている・摩耗している
- 印影がにじむ・不鮮明
といった場合、
その場で手続きが進められない、
遺言作成日を変更せざるを得ない
といったことも起こり得ます。
遺言を考え始めたら、印鑑の確認も「事前準備」のひとつ
遺言書というと、
- 内容をどう書くか
- 誰に何を残すか
に意識が向きがちですが、
実務上は「本人確認がスムーズにできるか」も非常に重要です。
遺言作成を考えたタイミングで、
- 実印がどれか分かるか
- 印鑑の状態は問題ないか
- 印鑑証明はすぐ取れるか
を一度確認しておくと安心です。


