ご家族が亡くなる経験、ありますか?
多くの方にとって、突然訪れる「初めてのこと」ではないでしょうか。
前触れなく救急搬送され、
「今夜が峠かもしれません」
そんな言葉を告げられたとき、頭の中は真っ白になります。
30代・40代であれば、
子どもの頃におじいちゃん・おばあちゃんのお葬式に参列した経験はあっても、
自分が中心になって動く立場になることは、ほとんど想定していない方が多いと思います。
私自身もそうでした。
「葬儀って…どこで?どうやって?」
親族が亡くなるかもしれない、という現実を突きつけられたとき、
真っ先に浮かんだのは、
- 葬儀って、どこでやるの?
- 誰に連絡すればいい?
- いくらかかるの?
という、とても基本的なことでした。
慌ててネットで検索し、
「小さなお葬式」などの比較サイトを見たり、
市内の葬儀場のホームページをいくつも確認したり。
ただその一方で、
「まだ亡くなっていないのに、調べていいのだろうか」
「兄弟に“葬儀どうする?”なんて言い出しにくい」
そんな気持ちもあり、心は揺れ動いていました。
調べていくと、
「事前に会員になると割引があります」という葬儀社も多く、
今すぐ決めるべきなのか、もう少し待つべきなのか、
判断がとても難しかったのを覚えています。
実際にかかった費用は、表示価格どおりではない
結果として、親は約2か月の入院後に亡くなりました。
その間に、ある程度調べたり見積もりを取ったりする時間はありました。
ただ、実際に感じたのは、
ネットに書いてある「〇〇円から」は、本当に“から”なんだな
ということです。
たとえば「湯かん」。
正直、最初は
「湯かんって何?」
というレベルでした。
安置日数が長くなると、
「お口が開いてきますよ」などと説明され、
そうなると追加で8万円、9万円…という話になります。
どうなるか分からない。
でも、最後のお別れ。
「後悔したくない」という気持ちもあり、
結果として湯かんをお願いすることにしました。
湯かんにもいくつか種類がありましたが、
一番基本的なものを選択。
それでも、きれいにお化粧をしてもらい、
穏やかな表情になった顔を見て、
「お願いしてよかった」と思えました。
知らないまま進むと、費用は少しずつ増えていく
安置期間が延びれば、その分安置料も加算されます。
一つひとつは「仕方ない」と思える金額でも、
積み重なると想像以上になることもあります。
葬儀は、
悲しみの中で決断を迫られる場面の連続です。
だからこそ、
- 事前に少し知っておくだけで、防げる不安
- 知っていれば、冷静に判断できること
は、確実にあります。
だからこそ私は、
相続や死後の手続きだけでなく、
「亡くなった直後、何が起きるのか」
「どんなことで家族が戸惑いやすいのか」
という部分にも目を向けたいと思っています。
葬儀のこと、費用のこと、
誰に連絡し、誰に相談すればいいのか。
その多くは、
「そのとき」になって初めて考えることばかりです。
しかし実際には、
気持ちに余裕がなく、冷静な判断が難しい場面がほとんどです。
だからこそ、
元気なうちに――
親子で一緒に、少しだけ話してみることが大切だと感じています。
・近くにどんな葬儀場があるのか
・インターネットにはどんな情報が載っているのか
・「〇〇円から」という表示は、何を含んでいるのか
実際に親子で見積もりを見てみたり、
ホームページを一緒に眺めてみるだけでも構いません。
「今すぐ決める必要はないけれど、
こういう流れになるんだね」
そんな会話があるだけで、
いざというときの不安は大きく減ります。
葬儀の話は、
どうしても縁起でもない話題として避けられがちです。
けれどそれは、
残される家族が困らないための大切な準備でもあります。


