〜自筆証書遺言を安全に保管できる制度です〜
「自筆証書遺言は、見つからなかったら意味がない」
「改ざんや紛失が心配…」
こうした不安を解消するために作られたのが、
法務局の遺言書保管制度です。
法務局の遺言書保管制度とは
正式には
**「自筆証書遺言書保管制度」**といいます。
これは、
自分で書いた自筆証書遺言を、法務局が預かって保管してくれる制度です。
どんな遺言書が保管できる?
- ✅ 自筆証書遺言のみ
- ❌ 公正証書遺言は対象外
📌 すでに作成済みの自筆証書遺言でも、
形式が整っていれば保管可能です。
保管制度を利用するメリット
① 紛失・改ざんの心配がない
- 法務局で厳重に保管
- 自宅保管のリスクを回避
② 家庭裁判所の「検認」が不要
- 相続開始後、すぐに手続きへ進める
- 相続人の負担が軽減される
③ 遺言書が見つからない心配が少ない
- 相続人は、法務局で
遺言書の有無を確認できる
利用する際の注意点
⚠ 内容のチェックはしてもらえません
法務局が確認するのは、
- 日付があるか
- 署名があるか
- 自筆かどうか
などの形式面のみです。
👉
内容の有効性や書き方の適切さまでは確認されません。
利用の流れ(簡単に)
1️⃣ 自筆証書遺言を作成
2️⃣ 予約のうえ、本人が法務局へ
3️⃣ 本人確認・形式チェック
4️⃣ 保管開始(保管証を受領)
※ 原則、本人が出向く必要があります。
費用はどれくらい?
- 1通あたり 3,900円
(令和6年現在)
比較的、利用しやすい金額設定です。
公正証書遺言との違い
| 項目 | 法務局保管制度 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作成方法 | 自分で書く | 公証人が作成 |
| 内容チェック | なし | あり |
| 検認 | 不要 | 不要 |
| 費用 | 比較的安い | 内容により高額 |
👉
「費用を抑えたいが、保管は安全にしたい」
という方に向いています。
こんな方におすすめ
- 自筆証書遺言を選びたい
- 相続人に手間をかけたくない
- 紛失・改ざんが心配
- 検認手続きを避けたい
法務局の遺言書保管制度は、
自筆証書遺言の弱点を補う制度です。ただし、
**「内容のチェックはされない」**点には注意が必要です。
相続人への「通知」をしてもらうこともできます
法務局の遺言書保管制度では、
あらかじめ指定しておくことで、相続開始後に相続人へ通知してもらうことが可能です。
通知を受けた相続人は、
- 遺言書が保管されていること
- 遺言書を閲覧・証明書交付請求できること
を知ることができ、
「遺言書があるのに気づかれない」リスクを減らすことができます。
ただし、住所変更があった場合は注意が必要です
この通知制度を利用する場合でも、
法務局が自動で住所変更を把握してくれるわけではありません。
そのため、
- 遺言者本人の住所変更
- 指定した相続人の住所変更
があった場合は、
👉 その都度、変更の届出を行う必要があります。
届出をしていないと、
- 通知が届かない
- せっかくの制度が十分に活かせない
ということも起こり得ます。
実務上のポイント
- 遺言書を保管したら「終わり」ではない
- 引越しや家族の住所変更があれば、
👉 定期的な見直し・届出が大切
📌 遺言書の内容だけでなく、
保管制度の使い方まで含めて整えておくことが、
相続人への思いやりにつながります。


