「そのうち」が一番難しい。終活と防災の共通点
「終活」と聞くと、
「まだ早い。」
「縁起でもない。」
「そのうち考えよう。」
そう感じる方も少なくありません。
ふと考えたのですが、この考え方は防災と少し似ているのではないでしょうか。
地震や台風は、いつ起こるか分かりません。
だから非常食や防災バッグを準備する人もいます。
一方で、「まだ大丈夫」「まぁ大丈夫でしょ」「何とかなるでしょう」「やらきゃとは思っている」と準備を後回しにする人もいます。
そして、その結果もさまざまです。
- 備えていて助かった。
- 結局使わなかったけれど、安心して過ごせた。
- 備えていなかったけれど、大きな被害はなかった。
- 「あの時、備えておけばよかった…。」と後悔した。
どれも現実にある話です。
終活も、同じではないでしょうか。
遺言書を書いた。
任意後見契約を結んだ。
エンディングノートを残した。
それでも、相続で家族の意見が分かれることもあります。
思い描いていたとおりに進まないこともあります。
反対に、何も準備をしていなくても、家族の話し合いで円満に解決するご家庭もあります。
だからといって、備えに意味がないわけではありません。
防災も終活も、「絶対に問題をなくすため」のものではないからです。
備えがあったからこそ、
迷わずに判断できた。
本人の希望が分かった。
手続きがスムーズに進んだ。
家族の負担が軽くなった。
大きなトラブルにならずに済んだ。
そんなことも少なくありません。
問題をゼロにすることは難しくても、問題を最小限にすることはできるかもしれません。
そして、終活は家族のためだけのものでもありません。
これからどんな人生を送りたいのか。
どんな医療や介護を望むのか。
誰に何を伝えたいのか。
自分の気持ちを整理し、自分らしい生き方を考える時間でもあります。
その想いを形にすることが、結果として家族への安心にもつながっていきます。
防災用品を準備して、一生使わないかもしれません。
でも、それは「何事もなく過ごせた」という幸せな結果です。
終活も同じです。
準備したことが必要にならなかったとしても、それは決して無駄ではありません。
「備えていてよかった。」
そう思える日が来るかもしれません。
そして、もし使う場面が訪れたとしても、備えがあることで不安や混乱を少しでも減らせるかもしれません。
だから私は、こう考えました。
終活は、人生の防災。
未来を不安にするためではなく、
自分らしく生きるために。
そして、
大切な人への思いやりを形にするために。
棚橋行政書士事務所

